佐多岬を後にして、今度は進路を東にとり、伊予の清流と名高い肱川を目指すことになりました。目的地はまず河口の長浜大橋から。

 長浜大橋は、地元では「赤橋」と呼ばれている生活のための橋。肱川は四国の川としては珍しく、山のV字谷がそのまま海につながっているような地形をしており、河口付近でも河床が谷になっているために、内陸の大洲などの小都市まで船での移動が可能で、古くから船の往来が多い川でした。かつてはここから、上流の木材や木蝋(もくろう・ハゼの木から取れる化粧品や医薬品の原材料)を運び出し、大阪まで運び出していたそうです。それゆえ船の通行を妨げない可動橋が必要なのでした。
 橋は、跳ね上げ式のパスキュール式と呼ばれるタイプ。1935年(昭和10年)に出来上がった現存する日本最古の可動橋で、近代化遺産といえる橋です。

 もちろん現在でも橋の跳ね上げは可能で、日曜日の13時には観光用に開閉をしているそうなのですが、(日曜で無いにもかかわらず)社長は僕に「開けるように頼んでみてよ」と、かなり無理がある指令を下すのです。
 「ハッ・・・」(大河ドラマの公家から命を受ける武士風)と答えてみたところで、無理なものは無理。一応役場に電話してみたところ、10人以上なら上げましょう・・・とやさしく教えて下さいました(もちろん要予約)。

 長浜大橋をあとにして、少し上流の城下町大洲へ。ここでは清流・肱川のウマイ物を”喰らう”という趣旨で、川沿いの「との町たる井」という店に。明治初期に建てられた郡長屋敷を改装しているお店で、通された部屋からはお城が見える風情。

 おすすめは鮎、鰍(かじか)、鰻、鯉らしいのですが、季節によりオススメは変わるのでしょうから、女将に「何(なん)がウマイの?」尋ねたところ、今は「鰻」が旬との事。


うなぎのせいろ蒸し 1575円
問い合わせ先 との町たる井 0893-24-3000


錦糸玉子の下には、うなぎがたっぷりと敷き詰められ、せいろで蒸されているので、うなぎはとっても柔らかくジューシー。「とっても美味しゅうございました。」


社長は、何故かこのような偏狭路の方が速い(得意?)。ただし、ブラインドコーナー連続で、落石などは日常茶飯事。安全運転で。
 大洲を後にして、国道197号線をさらに奥へ。次第に四国の山道らしくなっていきます。さらに鹿野川ダムの手前を、旧河辺村の方面へ。愛媛県はほとんどの市町村が合併していて、昔の町村名では、WEBサイトが出てこないことがほとんどです。【だから旧河辺村はいったい今の何市(町)なの? とイライラします。ちょっと不親切。】


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